不動産コンサルタントの菊池です。
昨日は、兵庫県内にある昭和40年代に街が開かれたニュータウンの状況を調査しておりました。
と言うのも、そこに管理物件があるため、所有者に簡単なレポートを提出するためです。
ニュータウンと言っても、大きな山を切り崩しており、いくつかの街に区切られています。
現在も、一部は住宅メーカーによって宅地分譲されており、新しい街も開発されています。
調査した街は、さすがに昭和40年代に開発されたため、すでに住居の建て替えが進んでいます。
その中に、昭和40年代、昭和50年代に建設された住宅が数棟、放置空き家となっていました。
もちろん、売りに出ている物件もありましたが、管理状況は最悪です。
見に来た人にとって欲しくなる状況ではありません。
しかし、500世帯はあろうかという中に、空き家となっており、管理がされていない放置空き家と言えるものは、意外に少なかったのです。
この街は、ちゃんと街の入居者が入れ替わり、建て替えが比較的順調に進んでいると言えます。
これは、隣接する地域が新しく宅地開発されており、価格もかなり高いことが原因のひとつと考えられます。
少し街が古くても、利便性が落ちても、隣接する古いニュータウンで売りに出るリーズナブルな土地の方がいい、そう考える方が購入しているようです。
ただし、土地を売る側に、不動産業者が示す相場価格よりも割安で売却する決断ができるかどうかにかかっています。
調査したニュータウンには売り物件がいくつも出ていますが、明らかに価格が高めです。
近隣の宅地分譲中のニュータウンと土地の坪単価がかなり近く売却希望価格が設定されています。
同じ単価なら新しい街に住みたいと誰しもが思うはずです。
結果的に、購入者が現れず長期化する傾向にあります。
家も土地も、古いものには割安感がなくてはなりません。
昭和40年代以降に次々と開かれたニュータウンも、高齢化し、空き家が増えつつあります。
街を再生しようにも、売る人がいない、売却希望価格を下げない、では代謝が進まず、いずれはゴーストタウンになります。
人の入れ替りを促すためには、割安感のある価格で売却することができるかが鍵となるでしょう。
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