空き家のどこが壊れやすいのか?
私が空き家の管理業務を開始してから2021年で11年経ちました。管理した空き家の中には、かなり長い間放置した空き家もありました。いろいろな空き家を管理することで、最近では、壊れやすい場所がわかってきました。
空き家はどこから壊れるのか?
私の経験では、壊れやすい、劣化しやすい場所は、建物の外側、それも飛び出した部分、突き出した部分です。
家を四角い箱と考えると、その箱には出っ張りがあります。
例えば、屋根の軒、庇、ベランダやバルコニー、その屋根です。
突き出た部分は、それだけ雨と風の影響を受けやすく、長年、過酷な状況に耐えています。壊れ始めるのも、この部分が多いと言えます。
中でも、私の経験上、軒天とベランダやバルコニーの屋根が壊れやすいと言えます。
屋根の軒天、庇の軒天
屋根や庇には軒天があります。軒天とは軒裏のことです。軒天は、化粧ベニヤ、プリント合板、有孔ボード、ケイ酸カルシウム板、モルタルなどで仕上げられています。
軒天が劣化すると,化粧ベニヤやプリント合板は表面がはがれ、モルタルは亀裂が入り、そこから雨水が入り込んで剥離します。軒天の劣化は、目視点検を実施すればすぐにわかります。
また、破風板や鼻隠も塗装が劣化し、雨水に濡れて木が腐ったりします。
ベランダ、バルコニーの屋根
ベランダやバルコニーの屋根には、ポリカーボネートの波板を使用することがよくあります。
この波板をとめるのに使われているのが小さなフックです。このフック部分もポリカーボネート製、プラスチック製になっているものがよく使われます。このフックが古くなると劣化し、強風による力が加わり、耐えきれず折れます。台風などの強風の日に、波板に大きな力が加わり、劣化したフックが折れ、波板が強風で持ち上げられて浮き上がり、波板がはがされてしまいます。1か所でも波板がはがされると、そこから次々と波板が破壊されていきます。ポリカーボネートの波板は割れ、破片は空き家の周囲に飛ばされて散乱することになります。私が管理していた空き家でも、台風で波板が破壊されて、道路に散乱してご近所からクレームが来たことがあります。
定期的に点検を行うことが重要
空き家を放置していると、あっという間に建物は劣化します。
上記に挙げたところ以外にも、あらゆる場所で劣化は進み、放置期間が長ければ長いほど、劣化が進み、修理費用は高くなります。
放置せず、定期的に点検を行うことが重要です。
早めに修理をすることで、建物は長く維持できます。
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