六甲山の山荘 新所有者へのバトンタッチ

私が2年ほど管理してきた六甲山の山荘に買主が見つかりました。
10年ほど誰も使用していなかった山荘を、自らがメンテナンスを行い、積極的に利用していこうという意欲のある方に引き取ってもらうことができたのです。
所有者から相談を受け、私自ら管理をしていたのですが、当初想像していたよりも建物、敷地の状態が悪く、維持管理が難しい物件でした。
所有者のご希望は早期売却ということでしたので、六甲山周辺の不動産マーケットを調査してみました。
結果、六甲山にある山荘や保養所、別荘などの流通マーケットが極めて小さいということがわかりました。
そのほかにも、下記のような不動産流通にマイナスとなる要因もわかってきました。

  • 借地権の物件が多い
  • 利用頻度が低く、管理状態の悪い建物が多い
  • 購入者の期待する眺望のある物件は少ない
  • 建物の老朽化が進んでいる
  • 住宅ローンを組むことが困難であり購入者は自己資金で購入する必要がある



状態の悪い物件を購入してもらうには、売主がお金をかけて建物を直すか、購入者の手によって修繕、リフォームをしていただくことを想定して、売り出し価格を大幅に下げるしかありません。
しかし、実際には六甲山の老朽化した建物に、多額の費用をかけることができる方は極めて少ないようでした。
そこで考えたのが、お金をかけずに自らの手で、修繕やリフォームができる方に購入してもらうことです。
建設業者に依頼し、お金をかけて直すのではなく、材料を購入してきて自ら直すことで費用を抑えることができる方です。
海外では住宅の修繕、リフォームを自らの手で行うDIYが一般的です。
日本にもそういう方はおられるはず。
そう考え、2年間という時間をかけて地道に探し続けた結果、やっと見つけることができました。

六甲山の山荘と私が主に管理をしている一般の空き家とは大きく異なります。
しかし、一般の空き家においても、自らの手で修繕やリフォームをして活用したいという方はきっといます。
空き家が有効に利用されるためには、DIYが一つのカギになると考えています。

リフォームを自らの手で行うことができる方は、中古住宅を選択することで、安価で住宅を手に入れることができるはずです。
それは、六甲山にある山荘でも同様です。
古い建物でも直しながら使いたい、そういう意欲のある方が六甲山の山荘を取得し、老朽化した山荘や別荘が手入れされていくことで、六甲山の活性化につながっていくのではないでしょうか。

The following two tabs change content below.
不動産コンサルタント・ファイナンシャルプランナー。大手住宅会社、上場不動産会社など住宅、不動産業界で15年勤務したのち独立。2009年から留守宅管理、空家管理を開始。自ら現場に立ち、管理を実践する空き家管理人。

関連記事

  1. 留守宅、空き家では火災保険はどうなるの?

  2. 塀、シャッター、外壁に落書きされたらどうする?

  3. 室内の階段

    日本の多くの住宅で利用されていないスペースとは?

  4. なぜ人の目が無いところは荒れてしまうのか?

  5. 空き家、留守宅では庭の状況確認が重要

  6. 浄化槽を利用している留守宅についての注意事項